株式会社ぺいじず

2021.05.27

Movable Type.netとは?Movable Typeとの違いから見る特徴

Movable Typeとの違いから見るMovable Type.netの特徴

制作部のじろうです。
Movable Type.netとはどんなCMSなのか、Movable Type使いの先輩に話を聴きながら特徴をまとめてみました。
Movable Typeと比較しつつ書いていますので、CMS選定の際などに参考になればと思います。

Movable Type.netとは

Movable Type.netは、シックス・アパート株式会社が開発しているCMS「Movable Type」シリーズのSaaS(Software as a Service)版です。
他のMovable Typeシリーズとの大きな違いは完全に動的生成であることだと思います。

Movable Type.netの特徴

そもそも、Movable Type.netは従来のMovable Typeとどう違うのか?という観点で、Movable Type.netの特徴を考えてみます。
前述の完全に動的であることも含め、大きな違いをピックアップしてみました。

動的生成か、静的生成か Movable Type.net:動的
MovableType:静的
標準で用意されている範囲以上のカスタマイズができるか Movable Type.net:プラグインや独自CGIの利用は不可だが、標準実装されている機能が手厚い
Movable Type:プラグインでの拡張や独自CGIを利用可能
1ライセンスで複数ドメインのサイトを運用できるか Movable Type.net:1ライセンス1ドメイン
Movable Type:同サーバーであれば複数ドメインで使用可能
環境準備までの時間 Movable Type.net:Movable Type.netのアカウントさえあれば即時
Movable Type:サーバー準備やインストール等が必要
ランニングコスト Movable Type.net:月額料金(2,750円〜/月)
Movable Type(ソフトウェア版):年間メンテナンス(33,000円/年)+適用作業
Movable Type(クラウド版):月額料金(5,500円〜/月)
ブロックエディタが標準装備されているか Movable Type.net:標準装備
Movable Type:プラグインで対応
FTPソフトが使えるか Movable Type.net:使えない
Movable Type:使える
フォーム機能が用意されているか Movable Type.net:標準装備
Movable Type:プラグイン等で対応
エディタのカスタマイズができるか Movable Type.net:不可(ただしカスタムブロックで対応できる可能性あり)
Movable Type:可能
ウェブページの一括選択ができるか Movable Type.net:不可
Movable Type:可能

動的生成か、静的生成か

前述のとおり、Movable Type.netは完全に動的生成、Movable Typeは基本的に静的生成です(ただしMovable Typeでも「ダイナミックパブリッシング」という機能を使えば動的生成が可能です)。
そのため、Movable Type.netはMovable Typeで必要な「再構築」と呼ばれる操作が必要無ありません。初めて触ったときは感動しました。

Movable Typeでは構築方法によっては「再構築」での待ち時間が長くなるため、そもそも「再構築」が無いMovable Type.netはMovable Typeと比べて軽快に操作できるイメージがあります。

運用の観点では、独自に用意したステージング環境を経たい案件や、公開環境とCMS環境を完全に切り離したい案件には、Movable Type.netは動的生成のため残念ながら選択肢に入らないと思います。

標準で用意されている範囲以上のカスタマイズができるか

Movable Type.netではプラグインを追加することはできず、機能として備わっているものだけが使えます。ただしその分標準機能が手厚くなっています。
例えば、ページネーションの表示はMovable Typeではプラグインが必要ですが、Movable Type.netではテンプレートに専用のタグを書けば実装可能になっています。

また、Movable Type.netでは独自でCGIを入れることが許可されていないため「独自の機能を後付けして拡張していきたい」という場合にはネックになる可能性があります。
そのためMovable Type.netの機能の範囲を越えそうな案件では、Movable Typeクラウド版(Apache プラン S4ia以上)や、Movable Typeソフトウェア版、あるいはPowerCMS、PowerCMSクラウドを選択していくという判断になります。

参考:Movable Type と PowerCMS の違いを CMS エンジニアの経験から説明します | 株式会社ぺいじず

前述のステージング環境の問題については、Movable Type.netのスタンダードプラン以上ではステージング機能が用意されています。ステージング環境を含め、どのような運用をしたいかによっても選択肢が変わってくると思います。

参考:FTP や CGI は利用できますか? – よくある質問 | MovableType.net

1ライセンスで複数ドメインのサイトを運用できるか

Movable Type.netでは、1ライセンスで1ドメインのサイトしか運用できません。
つまり、Movable Type.netでドメインの異なるサイトを複数作成たい場合はドメインの数だけライセンス契約が必要となります。
サブドメインの場合も別途ライセンス契約が必要です。

一方、Movable Typeの場合は同じサーバーであれば1ライセンスで複数のドメインのサイトを管理画面内に擁することができます。
そのため、「複数サイトをCMS管理下に入れていきたい」といった案件では、Movable Type.netではなくMovable Typeを選択したほうが良いと思います。

参考:アカウントの作成方法 – マニュアル | MovableType.net

環境準備までの時間

通常、ソフトウェア版のMovable Typeでは、まずサーバーを用意して、Movable Typeをインストールするなど、環境の準備に時間がかかります。また、クラウド版のMovable Typeでは申し込みが必要です。
一方、Movable Type.netはサーバーの準備やCMSのインストール作業が不要なため、Movable Type.netのアカウント(アカウント自体は無料で作成可能)さえあればCMSを利用可能にするまでの時間は数分もかかりません。つまり、サイト構築のための環境準備の工数を削減できます。

Movable Type.netでは最初の14日間はトライアル期間として利用できるのも強みだと思います。社内の支払いフローの関係でMovable Type.netのライセンス購入がプロジェクト開始よりも少し後になってしまっても、サイト構築プロジェクト自体は先行して進めることができます。

ランニングコスト

ソフトウェア版のMovable Typeでは毎月のサーバー利用費用の他に、1年ごとに33,000円の「Movable Type 年間メンテナンス」と呼ばれるアップデートの購入費用や、アップデートデータの適用作業工数などがかかってきます。

クラウド版と被るとは思いますが、Movable Type.netでは常に自動でアップデートが適用され、サーバー監視、脆弱性対応等のセキュリティ関連なども一括でメーカー側で対応してくれているのは大変助かります。
クラウド版は最低スペックでも月額5,500円からですので、それを考えれば月額2,750円から使えるMovable Type.netは魅力的ではないでしょうか。

ブロックエディタが標準装備されているか

Movable Type.netでは、ブロックエディタが標準装備されています。そのため、「記事内のここだけは3カラムにしたい」といった操作がユーザー側で比較的簡単に行えるようになりました。
一方、Movable Typeについては現時点ではブロックエディタプラグインのα版が公開されている段階です。

参考:新しいブロックエディタプラグインのα版を公開 – ブログ | CMSプラットフォーム Movable Type ドキュメントサイト

6月23日追記
2021年6月22日に、α版だったMovable Type用ブロックエディタプラグインが正式リリースとなりました。

参考:Movable Type 7 用の新しいブロックエディタプラグイン「MTBlockEditor」を公開 | Movable Type ニュース

FTPソフトが使えるか

Movable Type.netでは、外部からFTPソフト等を使用してサーバーに接続することはできません。
その代わり、Movable Type.netの管理画面に用意されている「ファイルマネージャー」からファイルアップロードなどの操作を行うことができます。
「FTPソフトが使えない」というデメリットとも捉えることができますが、FTPソフトが使えないことで「CMS管理外の野良ファイルが発生しない」というメリットにもなり得ると思います。

フォーム機能が用意されているか

Movable Type.netでは、フォーム機能が標準で装備されているため、お問い合わせフォームなどの機能を比較的簡単に用意することができます。
基本的には複雑な設定が必要無く、ドラッグ&ドロップ操作で簡単に項目を設定することができます。

一方、Movable Typeではフォームプラグインを別途選定購入して用意するか、「Movable Type.netフォーム」のようなフォームサービスを導入ことになります。

参考:フォーム作成 |CMS プラットフォーム Movable Type

エディタのカスタマイズができるか

Movable Type.netではエディタの書式プルダウンやボタンのカスタマイズができなくなっています。
(ただしこのあたりはブロックエディタの機能でカバーできる可能性があります)
一方、Movable Typeはカスタマイズ可能です。

ウェブページの一括選択ができるか

Movable Type.netでは、「ウェブページ」の一括選択および一括操作ができません(「記事」は一括選択および一括操作ができます)。
そのため、例えば複数のウェブページを下書きにしたい場合は、1記事ずつ編集画面を開いて下書きに変更して更新する必要があります。
(地味なポイントなので大きな問題では無いとは思います)

まとめ

Movable Type.netは別途サーバーの用意やプラグインの追加購入の必要が無いため、シンプルに単体でできることが多いCMSだと思います。
Movable Type.netの機能の範囲で実現可能なサイトには積極的にオススメできるCMSです。
現状でも新機能がどんどん追加されているので、CMS選定時に選ばれるケースも増えていくのではないでしょうか。

弊社では、Movable Typeの選定段階から制作、運用サポートまで幅広くお手伝いさせていただいております。
「どのMovable Typeを選べばいいかわからない」「クラウド版もあるけど選択基準は?」「PowerCMSというのもあると聞いた」という段階からでもお気軽にご相談いただければと思います。

※現在ぺいじずでは、Movable Typeを使ってWeb制作をする仲間を募集中です。
ご興味のある方は採用情報をご確認くださいませ。

関連記事

株式会社ぺいじず

私たちは、東京都で創業33年の制作会社です。
長年のマニュアル制作で培われたライティングスキルを活かし、効果的なWebサイトをご提案しています。